舞台本番でなぜかいつも通り踊れないってダンサーは多いかと思います。
舞台上で輝くために何度も何度も繰り返し練習をします。
でも崩れるバランス。。
思うように回れない。。。
それは踊る場所が異なるからです。
スタジオと舞台上の環境が大きく違いすぎるため、練習ではうまくっても本番でうまく踊れないことも多々あります。
それは視覚に頼りすぎているからではないかと調べた研究があります。
当然、普段のレッスンと本番当日では緊張や疲れの差は大きいですが、
スタジオには鏡があり、視点が近く安心感があります。
そして客席が暗くなり照明が舞台上にあたることで目がくらみバランスを崩しやすくなります。
目を閉じてレッスンをしたダンサーと目を開けてレッスンをしたダンサーを調べた結果、
目を閉じて練習したダンサーの方がバランステストの結果が良かった、向上したと研究結果が出ています。
ならばと、ミキバレエアカデミーの生徒たちに発表会の前に目隠しでバーレッスンをさせてみました。
目隠しでレッスンをして気が付いたのは、体の動きや方向を視覚ではなく体で感じることが出来ました。
自分がまっすぐだと思っていても曲がっていたり、低いと思っていたものが高かったり。
それに先生の声や音楽を聴いて動くことの難しさも改めて感じました。
腕や首、胸といった上半身の動きも目だけをキョロキョロ動かすのではなく、腕と上半身の調和することも練習できました。
また身体の小さな動きを読み取ろうとするおかげで、本人たちが気が付かないうちに集中力も鍛えられたと思います。
この論文の冒頭に「ダンサーはバランスを取る時に大いに視覚に頼る。はっきりと見ているダンサーの方がバランス感覚が優れている」と書いてありました。
見えている方がバランスはとりやすい。
でも、視覚だけに頼ってしまうと身体の感覚を感じることなく踊ってしまうので、結果的に舞台で照明があたって見えなくなった時に失敗しやすい。
今回の舞台は視覚だけにとらわれず、お互いを感じ、音を感じて素晴らしい舞台を披露できたと思います。